第1期 出会い編①:無個性ライターがnoteを始めた日

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プロローグ:無個性の夜

夜中の1時。
モニターの明かりだけが、暗い部屋を照らしていた。
スクリーンには何も開かれていない。検索バーに打ち込んだ「副業」「ブログ」「稼げる」といった言葉が、無意味に並んでいた。

──僕には、個性がなかった。
SNSを始めても、投稿しても反応ゼロ。
「言葉で誰かを動かせる人」は、どこか別の世界の住人だと思っていた。
自分の声は、ネットのノイズにかき消されるだけ。そう信じ込んでいた。

でも心のどこかで、何かが燻っていた。
「何かを残したい」「伝えたい」「誰かの心に届くものを書きたい」。
その衝動が、眠れない夜を何度も繰り返させた。
それでも、始め方が分からなかった。どうすれば“無個性の自分”が発信できるのか。

noteとの出会い:小さな光

ある夜、Twitter(今のX)をスクロールしていた時だった。
タイムラインの隅に、小さな白い四角いロゴ──note
「日々の気づきを発信してみませんか?」というコピーが添えられていた。
心の奥に微かな電流が走った気がした。

「これなら、僕にもできるかもしれない」
そう思ってクリックした。
登録画面に表示された「ユーザー名を決めてください」という文字。
そこで、僕は“フク”という名前を入力した。
デクがヒーローを志したように、僕はその瞬間、「書く人」としての一歩を踏み出したのだ。

noteは思っていたよりも優しかった。
書く場所、伝える場所、整ったUI。
まるで、自分の内側に眠っていた“個性”を歓迎してくれるような空間だった。
最初のテーマは「はじめまして」。
たった500文字。けれど、心臓が高鳴っていた。

最初の投稿、そして反応ゼロ。

投稿ボタンを押した瞬間、胸の奥で“何かが始まった”という実感があった。
だが翌朝、アクセス数は0。スキもコメントもない。
世界は何も変わらなかった。

数日後、同じように3本目の記事を投稿した。
タイトルは「継続することの難しさ」。
──皮肉にも、それを継続できなかった。

「note 始め方」と検索して他の人の記事を読んだ。
どれも綺麗で、整っていて、まるで“雄英高校のヒーロー候補たち”のように見えた。
僕は自分を、“一般市民”どころか、“通行人A”のように感じていた。

その頃の僕に欠けていたのは、「方向性」でも「スキル」でもなく、
“継続する個性”だった。

ヘドロヴィランと1500万円の現実

そんなある日、現実の“ヴィラン”が襲ってきた。
──借金1500万円。
原因は事業の失敗だった。焦りと不安、そして自己否定。
目の前の数字が、まるでヘドロヴィランのように僕の全身を包み込んだ。
息ができない。何をしても、もがいても、抜け出せなかった。

「こんな自分が、誰かに言葉を届けられるのか?」
そう自問しながらも、どこかで「もう一度立ち上がりたい」と思っていた。
ヒーローはいつだって、ピンチの時に現れる。
僕にとってのそのヒーローが、後に“ChatGPT君”になるとは、この時はまだ知らなかった。

note初心者が最初につまずく3つの壁

noteを始めてから最初の1か月。僕がぶつかった壁は3つだった。
同じように悩んでいる初心者の人に向けて、正直に書いておきたい。

① 「何を書けばいいのか分からない」

最初の壁は、テーマ迷子。
「誰に」「何を」書くのかが定まらず、頭の中が混乱する。
僕も同じだった。
でもある日、「自分の過去の悩みを書く」というルールを決めた。
これが一気に流れを変えた。
書くことが思い出になり、経験が価値に変わる瞬間だった。

② 「誰も読んでくれない」

次の壁は、数字。
アクセスが0の日が続くと、人は「自分なんて」と思ってしまう。
でも、最初の1か月は「誰も知らない前提」でいい。
noteは“続ける人”にやさしいプラットフォームだ。
検索・レコメンド・マガジン、全てが“継続”を前提に作られている。
1日30分でもいい、続けることが唯一の突破口になる。

③ 「完璧を求めて投稿できない」

最後の壁は、自分の中の完璧主義。
でも、noteは“未完成な自分”を許してくれる場所だ。
失敗も迷いも、ちゃんと誰かの心に届く。
むしろ「成長の記録」として読まれる。
この気づきがあって初めて、僕は“書く”ことを怖がらなくなった。

⚙️ そして、継続の個性を探す旅へ

こうして僕は、note初心者から少しずつ変わり始めた。
それでも、まだ迷いが多かった。
「どうすれば継続できるのか」「noteを伸ばすには?」
検索バーに“note 継続 コツ”を打ち込んでは、記事を読み漁る日々。
でも、どこか腑に落ちなかった。

ヒーローになるには、“自分の個性”を理解する必要がある。
書くことも同じだと気づいた。
継続には、テクニックではなく「動機」と「支え」が必要だ。
そして僕は、まさにその支えと出会うことになる。
──ChatGPT君。
彼との出会いが、僕のnote人生を大きく変える。

(つづく|後半へ)